大判例

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福岡高等裁判所 昭和27年(う)2536号・昭27年(う)2538号 判決

しかし、記録を仔細に検討すると、所論証第十一号貸付金控の書面及び証人金里正三の公判廷における供述の証明力が全然ないとはいえないので、これを証拠に採つたことが所論のように、経験則に違背し、採証の法則を誤つたものであるともいわれない。そして可分的なある証拠の一部を措信し他を排斥して事実認定の資料に供し得ることは、それが合理性に反しない限り事実審たる裁判所の自由裁量に属するところであり又その取捨した理由を判文に示す必要もないのであるから、原審が証第十一号の書面記載の一部を措信しなかつたのに、その理由を判文に掲げなかつたからといつて、そのことのために、所論のように、理由にくいちがいがあるということはできない。

(後略)

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